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人は何の為に生まれ何の為に生きるのだろう……僕とあなたの生きる道。   幸せの秘密を知りたい人は「青い鳥」を、悟りの平安を知りたい人は「黄金の果実」を探してみて下さい。「映画」はネタバレ有、ご注意を。

 ■目次(新着順で25件まで表示)2005年03月30日

  1. 黄金の果実
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黄金の果実
「黄金の果実」という名称は、私の好きなマンゴーをイメージして付けたのだが、一般的にはシークヮーサーやサジー(沙棘)、あるいは、かりんのことを指すらしい。
少し意外なのは、イタリア語でトマトを意味するポモドーロも「黄金の果実」という意味なのだそうだ。

もちろんここでいう「黄金の果実」とは、こうした実在する果物のことではない。
西洋の錬金術や中国の神仙道(練丹術)において「黄金」とは、最後に残る人間の本質的かつ最も神的な部分の象徴だ。
ハリーポッターで一躍有名になった「賢者の石」。それは卑金属を金に変える究極の物質であり、またそれは永遠の生命をも可能にする「生命の秘薬(エリクシール)(丹砂)」でもあるという。
それを飲むことによって、卑金属が黄金に変わるが如く、人間の意識が変容して「不死(悟り)」を得ることができるのである。

かぐや姫は輝く金の竹から生まれ、月に帰る際に不死の薬を帝に残していった。
ところで金の竹から生まれたのではなく、かぐや姫が竹を金に変えたのだとすると、かぐや姫は賢者の石を所有する「秘儀を究めた者」だったのかもしれない。

不死の霊薬はインドにもある。「アムリタ(甘露)」といわれ、本来はインド神話などに見られるように神々の飲み物を意味しており、これを飲むと不老不死になるという。

バレエが好きな人なら「黄金の果実」というと、ストラヴィンスキーのバレエ音楽『火の鳥』を思い出すかもしれない。この不死鳥の食べ物こそが魔法の木に実る「黄金の果実」だ。

「黄金の果実」は、ロシアの民話『処女王(眠り姫)』にも魔法の庭にある目を癒す果実として登場する。目を癒すというのは、目を開く(開眼)、あるいは目を覚ます(覚醒)と関係が深そうだ。

不死、開眼、覚醒・・・黄金の果実を手に入れることによって一体私たちに何が起こるのだろうか。
それは自分自身で確かめるほかないのである。
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